電動スクーターの製造・販売を手掛けるaidea(アイディア、池田元英社長、東京都港区)は15日、電動三輪スクーター「AAカーゴ」を同日発売したと発表した。今月から本格操業を開始した国内生産工場(相模原市中央区)の量産第1号モデルとなる。

 フラットな大型荷台を備え、デリバリーなどさまざまな用途への導入を可能とした。バイクに乗り慣れていない人でも安心して走行できる三輪構造には13㌅ホイールを採用し、段差や悪路での走破性を高めた。ワイパー付きフロントスクリーンや屋根を設け、悪天候下での運行も支援する。

 4㌔㍗時バッテリーを搭載し、一回の充電で最長80㌔㍍の走行が可能。電気自動車(EV)用200㌾充電器に対応し、約3時間で充電できる。価格は原付一種扱いの「アルファ4」が87万7800円、原付二種扱いの「ベータ4」が90万900円(いずれも消費税込み)。7月には外部給電が可能なモデルも発売する。

 電動スクーターは環境性能に優れるだけでなく、モーター駆動ならではの大きな発進トルクとスムーズな加速で、重量物の積載時でも快適に走行できる。動作音が小さく早朝や夜間でも静かに走行できることや、排出ガスがなく食品を扱う施設や倉庫などの屋内でも安心して使用できることが、ガソリンエンジン車にはない利点だという。1㌔㍍当たりの電気代はガソリン代の約3分の1と、コスト面でも優れる。コロナ禍に伴いデリバリー需要が増加する中、同社は「エネルギーの効率的活用を追求し、新しい生活様式やビジネス環境の構築をサポートする」としている。