NTNは、持ち運び可能な軸受けの診断ツール「NTNポータブル異常検知装置」を発売した。同装置を測定対象物に設置するだけで、軸受けの正常・異常の判定や、異常時における軸受けの損傷部位の特定などが可能となる。専用アプリをインストールしたタブレットやスマートフォンで測定データを確認、保存できる。価格は30万円台で、2023年度には年間5千万円の販売を見込む。あわせて、同装置を活用した技術サービスの提案も始める。軸受け振動の分析レポートなどを提供する予定で、秋ごろに運用を開始する。

 同装置は18年にプロトタイプを開発。開発当初は測定・解析時間は約15秒だったが、改良を重ねて約7秒にまで短縮した。測定時の設置方法はマグネットやねじ止めなど4種類に対応する。一度の測定でFFT(高速フーリエ変換)やOA(オーバーオール)の同時解析が可能だ。

 技術サービスでは、機械振動の測定や異常診断についての講習を開くほか、顧客の集計データから分析レポートなどを作成する。製品提供からアフターサービスまで、生産現場をトータルでサポートすることでダウンタイムの削減や生産効率向上につなげる。