タクシー配車アプリ「JapanTaxi」「MOV」を運営するモビリティテクノロジーズ(中島宏社長、東京都千代田区)は1日、料理配達代行大手の出前館(中村利江社長、大阪市中央区)と業務提携し、東京都と神奈川県、大阪府の一部地域でタクシーを使った出前サービスを順次始めると発表した。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、国土交通省がタクシー事業者による有償貨物運送の特例を認めた13日まで実施する予定。

 注文は出前館のサイト、LINEデリマ、dデリバリーからで、配車アプリからはできない。配達はモビリティテクノロジーズと提携している事業者のうち、有償貨物運送許可を取得している日の丸交通(東京都文京区)やアサヒタクシー(横浜市中区)、新大阪タクシー(大阪市東淀川区)、日本交通(東京都千代田区)などの一部車両が担う。

 注文は各タクシー車両に伝えられ、マッチングした車両の運転手がマスク着用など新型コロナ対策を万全にした上で店舗に赴き、料理を受け取って注文主まで届ける。

 新型コロナ問題でタクシーの売り上げは大幅に減少している一方、巣ごもり消費の浸透で出前館の注文数は伸びている。同社では注文数は今後も伸びると見込んでおり、今回の提携は、配達方法の拡充を求める同社と稼働率を上げたいタクシー業界の思惑が一致して実現した。