タダノ(多田野宏一社長、香川県高松市)は、最大吊上げ荷重120㌧の吊りオールテレーンクレーン「ATF-120N-5・1」の発売を開始した。

 同シリーズは、世界戦略機種として全世界への供給を目的とし、同社とタダノファウン社(独全額出資子会社)が共同開発した。欧州排出ガス規制EUステージⅤ対応の先進のエンジンを搭載し、高い搬送性の改善やクレーン性能の向上、ジブ仕様追加など、作業の効率と快適性を図り、安全性を向上させた。

 主な特徴としては、クレーン全体の軽量化を図ることで、公道走行時にブーム付きで走行可能な120㌧吊りオールテレーンクレーンを新開発した点だ。ブームの着脱作業や、分解搬送に伴うコストの削減、現場での組み立て時間の短縮など、作業の効率化を実現した。クラス最長の7段60㍍ブームを採用し、最大地上揚程もクラス最高の60㍍を誇る。また「油圧チルトジブ(HLJ)」には新たに2本のインサートジブを追加し、クラス最高87㍍の高揚程作業を可能にした。

 さらにラジコンを標準装備したことで、周囲の状況を確認しながら、安全で効率的に作業準備や格納作業を行えるなど、テレマティクスウェブ情報サービス「HELLO-NET」を標準装備した。携帯通信によるクレーンの稼働状況の掌握と、GPSによる位置情報確認、保守管理のための情報をウェブサイトでサポートする。

 価格は1億8200万円(税別)で「フルオートラフィングジブ(FLJ)」、「油圧チルトジブ(HLJ)」を含む。年間販売台数は15台見込む。