国土交通省は16日、政府が新型コロナウイルスの感染爆発を食い止めるための緊急事態宣言を同日、全国に広げたことに伴い、車検証の有効期間を延長すると発表した。新たに宣言の対象となった40道府県に使用の本拠を置く自動車のうち、自動車検査証(車検証)の有効期間が2020年4月17日から5月31日までの自動車について、有効期間を6月1日まで延長する。

同省は、すでに緊急事態宣言の対象となっている東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、車検証の有効期間が4月8日から5月31日までの自動車について6月1日まで延長する措置を実施している。緊急事態宣言が全国に広がったことを受け、有効期間を延長する対象地域を全国に広げる。

対象車両は6月1日までに継続検査を受ければ引き続き使用できる。有効期間延長による車検証の記載変更の手続きは不要。また、継続検査を受検するまでに保険契約期間が終期となる自賠責保険は、継続契約の締結手続きが6月1日を限度として猶予される。

政府は新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を阻止するため、4月7日に7都府県を対象にした緊急事態宣言を発令した。しかし、その後、地方で感染が広がり始めたことから、急遽、大型連休を前に宣言の対象を全国に拡大した。国交省も外出による感染拡大のリスクを排除する必要があるとし、車検有効期間を延長する。

同省では、年度末の繁忙期に継続検査の受検者が窓口に集中することを避けるため、2020年2月28日から3月31日に車検証の有効期間が満了した自動車について全国一律に有効期間を4月30日まで延長している。