写真は前回大会の様子

 自動車技術会(自技会、坂本秀行会長)は、新型コロナウイルスの感染長期化を想定し、6月14日に予定していた「自動運転AIチャレンジ決勝」を中止すると発表した。AIチャレンジはIT技術者の発掘を目的としており、理系学生などを対象に昨年から開催している。自技会はすでに、9月に実施予定だった「学生フォーミュラ日本大会」の中止も発表している。新型コロナが次世代を担う技術者の育成にまで影響を及ぼし始めた。

 自動運転AIチャレンジは、参加者が設計した自動運転車両の完成度を競うもの。決勝大会では、障害物や物体などを認識する「認識部門」と、車両停止までの距離や時間などを競う「制御部門」の2部門で競技を行う。昨年は4チームが決勝に進み、東京大学大学院の「MTLLAB」(エムティーエルラボ)チームが初代王者を手にした。

 新型コロナの影響が長期化する可能性があることに加え、集団作業により感染を助長する恐れがあるため、中止を決めた。現在すでに制御部門のオンラインシミュレーション競技の予選を実施しており、予選大会に関しては継続する方針。