東京、大阪両会場で輸入車に特化したAAを開催するジップ(写真はジップ東京)

 ヤナセ( ■(吉の士が土) 田多孝社長、東京都港区)は、中古車オークション(AA)を運営するジップ(神川薫社長、神戸市中央区)を買収し、AA事業に参入する。ジップの株式の9割以上を取得し、4月1日付で子会社化する。関東と関西で輸入車に特化したAAを運営するジップをグループに加えることで、小売りを中心とした中古車事業全体への相乗効果につなげたい考え。

 ヤナセとジップに資本関係はないものの、ジップ大阪会場(神戸市中央区)のAAで「ヤナセコーナー」を実施するなど輸入車の中古車流通で関係を築いてきた。こうした中、将来に向けた経営基盤の安定化が課題だったジップと、輸入車市場で中古車事業の強化を加速するヤナセの考えが一致し、子会社化への協議がまとまった。

 子会社化が完了した後、4月10日付でヤナセの松本伸拠点経営推進部長がジップの代表取締役に就任し、神川社長が取締役会長として経営をサポートする体制となる。AAの開催曜日や会場、運営方針などはそのまま引き継ぎ、会場名なども変更しない。

 ヤナセは現在、メルセデス・ベンツを中心に複数の輸入車ブランドの新車販売を手掛け、2019年3月期の年間新車販売台数は約3万3千台。中古車販売は卸売りなどを含めた総販売台数が約4万3千台の規模だ。今後も小売りを中心に中古車事業を強化する方針で、AA運営のジップをグループに迎えることで、よりエンドユーザー向けの小売り業務に注力できる体制を整える構え。

 1996年設立のジップは、外国自動車輸入協同組合(FAIA)が立ち上げた「FAIA外車オークション」を引き継ぐ形で事業を開始した。現在は、毎週土曜日にAA最大手ユー・エス・エス(USS)グループのJAA(東京都江戸川区)で東京会場の競りを開催し、大阪会場は、毎週木曜日にUSS神戸会場(神戸市中央区)を使って実施している。2019年の出品台数は2会場合わせて約3万6千台だった。