トヨタ自動車は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う受注の落ち込みを受け、生産委託先を含め国内5工場で生産調整に入ると発表した。4月3日から15日にかけ、合わせて7つの生産ラインを休止させる。減産規模は約3万6千台を見込む。新型コロナウイルスの影響による需要減を理由とした生産調整は初めて。主要国では感染拡大を防ぐため外出や営業制限が相次いでおり、新車販売の減少が国内生産に及んできた格好だ。

 生産を調整するのは、トヨタ本体が持つ高岡、堤、田原の3工場とトヨタ自動車九州、生産委託先である日野自動車羽村工場の合わせて5工場。「カローラ」や「ランドクルーザー」、レクサス車など海外販売が多い車種が中心だ。生産ラインごとに稼働停止日を設けて減産する。最長はトヨタ自動車九州の9日間だ。

 新型コロナウイルスの拡大に危機感を募らせる各国は、渡航制限に次いで自国内の規制を強め始めた。英国政府は23日、外出を3週間にわたって原則禁止すると発表。生活必需品など以外の店舗やサービスも閉鎖される。フランスでも17日から外出禁止令を発令。感染が深刻なイタリアでは外出制限に加え、23日から公共サービスや通信を除く全産業活動の停止に踏み切った。アメリカでも渡航制限に続き、州政府レベルで外出禁止令が出始めている。

 こうした制限はいつ解けるか現時点では見通しが立たず、新車販売への影響が長期化することが懸念される。

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