目録を受け取る川鍋全タク連会長(左)

 中国ネット通販最大手のアリババグループ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が、自身が設立した基金を通じて全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)と日本バス協会(日バス協)にマスクを寄贈した。

 旅客自動車運送の各事業者は、車内の消毒や運転手のマスク着用など、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めているが、マスクの品不足で確保に悩む事業者も多い。

 全タク連で10日に開かれた目録贈呈式では、マー氏からマスク配布の実務を委託された日本医療国際化機構(東京都千代田区)の蒋暁松(しょう・ぎょうしょう)理事長から全タク連の川鍋一朗会長に目録が、川鍋会長から蒋理事長に感謝状が手渡された。寄贈枚数は非公表。

 川鍋会長は「マスクの備蓄も底をつくなど厳しい状況が続いており、ありがたい。大事に使わせていただく」と感謝を述べた。蒋理事長は「役に立てれば光栄。皆さんがんばって」と述べ、川鍋会長を激励した。

 日バス協には同機構から1万5千枚が贈られ、さっそく同協会は、都道府県バス協会を通じて各事業者に配布した。

 マー氏は今回、マスク100万枚を日本に贈っており、その一部が全タク連と日バス協向けになった。マー氏はツイートで「日本の友人らが、防護服を集めて防疫現場に届けてくれました」と謝意を示し、マスク贈呈は、現在深刻な状況になっている日本に対する返礼としている。