日野自動車は16日、東京都日野市の本社に勤務する従業員2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。感染が確認されたのは販売会社の支援業務を担う50代男性と60代男性。今のところ生産や営業活動への影響はないという。日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)によると、日本の自動車メーカーで従業員の国内感染が確認されたのは今回が初めて。

 現在2人は入院中で、50代男性には肺炎の症状がみられ、60代男性の容態は安定しているという。体調不良を訴え、12日と13日にそれぞれ検査をしたところ14日に陽性と判明した。2人は東京都在住で感染経路は現在調査中だが、直近の海外渡航歴はないという。濃厚接触者として同社従業員24人を特定し、在宅勤務や自宅待機などの対応をとっている。

 日野は全従業員に対して毎日の検温、手洗い・うがいを徹底することや時差出勤・在宅勤務の推奨を行っている。

 自工会の豊田会長は16日に「自動車業界全体に関わる話として受け止め、引き続き会員各社においても従業員への注意喚起と健康状態の確認を一層細やかに進めていく。今後も状況が変わる場合には、都度、速やかに情報を開示していくとともに、考えうる限りの対策を講じ、感染拡大防止に取り組む」とコメントを出した。