中国の新興電気自動車(EV)メーカーのバイトンは3日、初の量産EV「M―Byte(Mバイト)」の欧州戦略を公開した。2021年末までに投入する計画を立てており、まずはスイス、ドイツ、ノルウェーなどで販売を開始する。また、専用アプリを通じて充電費用をキャッシュレスで支払える仕組みも構成する。加えて、ソフトウエア更新などを担う拠点「バイトンプレイス」も主要都市に約20拠点新設する方針。ハード面を整えることで、欧州進出の足場を固める。

 Mバイトは3日時点で6万5千件の予約が入っており、うち2万5千件は欧州の顧客が占める。このため、まずは欧州で設備・機能投資を進める。

 フランス、オランダ、スウェーデンを含む6カ国でMバイトの販売を開始する。「ヘディン・オートモーティブ」「ルーマングループ」といった各地の販売会社と販売・アフターサービス領域で協業し、ディーラー網を拡充していく計画。また、充電網では独DCSとパートナーシップを締結し、欧州28カ国以上で15万基の充電ステーションを確保した。

 スマートフォン用専用アプリと、車載ディスプレーを連携させることで、充電の支払いをシームレスに実施する体制も整えた。アプリを通じて販売店とつながる仕組みも模索する。

 また、21年末までにオスロやベルリン、パリといった主要都市にブランド発信拠点バイトンプレイスを設置する。来店者がブランドに対する知見を深める場として提供するほか、試乗機会も設ける。まずはチューリッヒの空港内に第一号拠点を来年以降に立ち上げる。