2030年の目標に向け、着実に自動運転サービスの導入地域を増やす

 政府は、2025年までに自動運転レベル4(特定条件下での完全自動運転)の車両を使った移動サービスを全国で数十カ所以上展開することを目指す。工場・空港といった「閉鎖空間」や「専用道」など自動運転車の走行シーンごとに分け、各類型で最低10カ所の事業化を狙う。着実に無人移動サービスの普及地域数を積み上げながら、30年に100カ所以上という政府目標の達成につなげる。

 経済産業省と国土交通省は25日、自動車メーカーやサプライヤー、有識者らで構成する第11回目の「自動走行ビジネス検討会」を開いた。25年までの自動運転移動サービスに関するロードマップ(工程表)の内容を中心に議論した。メーカーや自動運転サービスを提供するベンチャー企業などからヒアリングして素案をまとめた。関係省庁とすり合わせたうえで3月末にも取りまとめる。工程表は政府の20年版「官民ITS構想・ロードマップ」に反映させる考え。

 ロードマップで示すのは、レベル3(条件付き自動運転)以上のバスやゴルフカート、乗用車タイプを使った移動サービスの普及目標。これまで30年の姿を示したが、そこに至るまでの詳細な道筋がなかった。

 検討会では新たに25年に全国で自動運転移動サービスの普及地域で数十カ所以上という目標を掲げる。工場や空港といった閉鎖された空間や福井県永平寺町にある廃線跡地を使った専用道、車と人が行き交う混在空間など、走行環境に合わせて普及地域を類型化。各類型では、技術面や実証実験の結果を踏まえ10カ所以上の実用化を狙う。

 運行形態については、自動化レベルに応じた人の役割に着目。事故が起きた際の乗客の救護やシートベルト着用といった車内の安全確保を考慮すると「当分は人の関与が必要」(経産省自動車課)と見る。まずは緊急時に備えて車内に車掌を乗せたり、遠隔操作によるノウハウを積みながら20年以降、徐々に高度化させ、操作をシステムに完全に任せられる状態へと移行する。