東風ホンダ(参考画像)

新型コロナウイルスの感染が拡大している中国での自動車の生産停止が長期化する見通しとなった。中国・湖北省は企業に対して2月13日としていた休業期間を1週間延期することを発表、湖北省にある自動車メーカー、部品メーカーの工場も停止することになった。生産再開は早くても2月24日以降になりそう。自動車各社は中国製部品のサプライチェーン(部品調達網)の確認や代替調達などの対策を急ぐが、湖北省の決定で正常化には時間がかかる見込み。中国製部品の調達が難航して日本国内の生産にも影響が拡大する可能性がある。

中国では新型コロナウイルスの感染源である湖北省を除いて2月10日から企業は事業活動が再開可能となったが、自動車各社は調達している部品の在庫や、仕入先工場の稼働状況の確認に時間がかかっているほか、当局から操業再開の許可が下りないことなどから、自動車の生産再開を延期。完成車工場の生産再開は2月17日以降になる見通し。

湖北省は企業に対して2月13日までの休業を要請していたため、2月14日に事業活動を再開できる見通しだったが、湖北省は企業の休業期間を2月20日まで1週間延期すると発表した。これを受けて湖北省武漢市に生産拠点のあるホンダの合弁会社東風ホンダは2月17日の週に予定していた生産再開を2月24日の週に延期を決定した。

日産自動車も合弁会社の東風日産の湖北省にある襄陽工場と、湖北省に近い鄭州工場の生産再開を2月20日以降に延期するが、実際の生産再開は大幅に遅れる見通し。

湖北省は自動車部品メーカーの工場も多く、休業期間の延長によって湖北省以外の自動車生産拠点に影響する見込み。日系自動車各社は湖北省以外の中国の生産拠点については2月17日の週の生産再開に向けて準備している。しかし、仕入先を含めて地方政府が感染防止の対応を生産再開の条件としており、申請しても許可が出るまで時間がかかっているという。湖北省から調達していた部品の手当を含めて中国の工場の生産停止が長引くのは避けられない見通し。

中国製部品の調達に支障が及んでいることから日産自動車は日本国内の工場を一時停止するなど、国内生産にも影響が及んでいる。日系自動車メーカーは中国製部品の調達を増やしてきた。それだけに湖北省内の工場の操業停止の延長や、湖北省以外でも部品工場の生産再開が遅れていることによって日産以外の国内生産に影響が波及する可能性が高くなってきた。