1月に米ラスベガスで開催されたCESでもコネクテッドとシェアリングに関わる事業を多数紹介した

 アイシン精機は、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)のコネクテッドとシェアリングに焦点を当てた事業を積極化する。高齢者向け乗合サービス「チョイソコ」を来年末までに国内10都市で運用するほか、コネクテッド機能を使って、車両センサーから得た情報をもとに道路のメンテナンスを行う実証実験を開始。今夏にはシェアリング用途も見込む1人乗り電動小型モビリティ「ILY(アイリー)―Ai」も投入する。収益面では自動運転や電動化が軸になってくるが、自社で進められる事業が多いコネクテッドとシェアリングの領域でも収益化を目指す。

 同社は2023年度にCASE分野の売り上げを現在の約3倍になる1兆円に引き上げることを目指している。CASE全方位で取り組むが、自動運転、電動化は自動車メーカーの動向に左右されることが多いため、自社単体で事業化ができる「コネクテッドとシェアリングの領域も広げていく」(情報・電子バーチャルカンパニープレジデント電子商品本部長植中裕史執行役員)方針だ。

 今年以降に事業化や製品投入を本格化する。18年にスタートしたチョイソコは、公共交通機関が少ない過疎地での高齢者の移動手段として提案する。病院やスーパーなどをステーションに設定し、オンデマンドで乗員を運ぶ。乗員だけでなく自治体やステーションの企業からも収益を得られる仕組みにしたことで「実証では採算が見込める段階まで来た」(同社担当者)。将来的にはディーラーにオペレーション業務を担ってもらう形態でも普及を見込む。すでに神戸市や豊橋市で実証済みで、来年末には全国10都市で事業化する計画。

 岡山県では車両のセンサーやシャシーから集まったデータを分析し、ロードメンテナンスに生かす実証実験も行っている。位置情報と組み合わせることで、道路の状況をリアルタイムで把握できる。今後、物流事業者やロードメンテナンス企業などに提案していく。

 今夏に投入するアイリー―Aiは、カメラや2次元LiDARを搭載し、自走のほか追従走行も可能。市場投入時は、センサー類を簡素化したタイプも検討しており「一般的なシニアカーの価格帯を見込む」(同社担当者)。商業施設や介護施設などでのシェアカーとしての需要を獲得する。

 CASE領域を万遍なく手がけることで、目標必達を目指す。