LECVのホフマンCEO(右から3人目)が来日し新型タクシーをアピール
自然光を取り入れて車内の快適性を向上

 中国ジーリー(吉利)ホールディングス傘下のタクシーメーカーの日本法人、LEVCジャパン(小原学代表取締役、東京都渋谷区)は10日、都内で新型ロンドンタクシー「TX」を発表した。ロンドンタクシー初の電動車両で発電用エンジンを搭載。快適な移動空間とタクシー車両に求められる耐久性の両立、電動化にともなう重量増を抑えることをねらい、航空機技術を応用した接着工法のアルミ製軽量車体を採用した。さらに車いす乗降用スロープを10秒未満で展開可能など、ユニバーサルデザインを追求した。受注は来月から、納車開始は6月を予定する。

 発電用エンジンは排気量1・5㍑の3気筒ガソリンで、駆動はすべて電気モーターで行う。チャデモ式の充電コンセントを備えるいわゆるプラグインハイブリッド車となっている。25分未満で80%の充電ができる。

 車両サイズは、全長4855㍉㍍、全高1880㍉㍍、全幅2036㍉㍍。最小回転は約4㍍で小回りが利く設計とした。

 ロンドンタクシーの伝統である「ファーストクラスの移動空間」の実現を目指し、車内に積極的に自然光を取り入るデザインとした。インターフォンシステムを搭載して乗客がプライバシーを確保しつつ、ドライバーと確実にコミュニケーションできるようにした。

 来日したLEVCのヨーグ・ホフマンCEOは「昨年に世界初となる電動タクシー『TX5』を発表した。私たちはタクシーを作る会社から電動自動車を作る企業へと変化したのだ」とEV市場への参入に意気込んだ。

 主要グレード「TX VISTA Comfort Plus」を東京都で営業用車両として登録した場合、補助金適用後の価格は756万円(消費税込み)。トヨタ自動車「ジャパンタクシー」の2倍強となるが、快適な移動空間やEVという先進性をアピールして、高級車を求めるハイヤー会社などの需要開拓を目指す。