森法務大臣

森まさこ法務大臣は1月9日、保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告が現地での記者会見で、日本の刑事司法制度を批判したことに関して「国内外に向けて日本の法制度やその運用について誤った事実を殊更に喧伝するものであって到底看過できるものではない」とのコメントを発表した。

ゴーン被告は会見で検察の厳しい取調べや、弁護士も立ち会わない中で罪を認めるよう強く迫られたなど、基本的人権が尊重されていないとして日本の刑事司法制度を強く批判した。

森法相は「ゴーン被告は裁判所から逃げ隠れしてはならない、海外渡航してはならないとの条件の下で、これを約束し、保釈されていたにもかかわらず、国外に逃亡し、刑事裁判そのものから逃避したのであってどの国の制度の下であっても許されざる行為」とゴーン被告を非難した。

また、日本の刑事司法制度は基本的人権を保障しているといした上で、制度は国によってさまざまで、広く無令状逮捕が認められている国がある一方で、日本では現行犯などの一部を除いて無令状逮捕ができないなど、身柄拘束を厳格にしており、身柄拘束に関する不服申立て制度もあるとしている。

その上で「日本の刑事司法制度が世界中の方々に正しく理解していただけるよう今後も情報提供し、疑問に答えていく。ゴーン被告は主張することがあるのであれば日本の公正な刑事司法手続の中で主張し、公正な裁判所の判断を仰ぐことを強く望む」としている。