中古車オークション(AA)は、生き残りに向けたシェア争いが本格化する。1月にトヨタユーゼックが関西で2会場目となるトヨタオートオークション(TAA)兵庫会場を新設するのをはじめ、ミライブも夏ごろまでに愛知県に新会場を開設する。国内AA市場で出品シェア4割を握るユー・エス・エスは、グループ会場も含めた全19会場で競りシステムの刷新などを進めることで国内最大手としての足場を固めており、先細りも懸念されるAA市場で陣取り合戦が過熱してきた。

 国内AA出品はUSS、TAA、JU系の大手3系列で7割近くを占める市場。この中でも今年は、TAAの動きから目が離せない。各会場でトヨタ系ディーラーからの出品が大幅に伸びており、着実に出品を拡大。日野系やマツダ系など他系列ディーラーとの連携も強めており、今年もシェアアップを続けそうだ。

 またミライブの動向にも注目が集まる。19年10月に関西松原オートオークション(KMAA)をミライブ大阪会場として再スタートしたことで、埼玉、大阪2会場の出品規模は業界6位にまで躍進。愛知会場がオープンすればさらに上位へと食い込む可能性もある。

 メーカー系ディーラーが下取り車を囲い込む姿勢を鮮明にする中、AA市場は先行きの不透明感が増している。全国で約120の会場がひしめくAA業界にも淘汰の波が押し寄せ始める。