プジョー/シトロエンディーラーを対象に販売店募集の 説明会を開いた(写真はオペルの小型車コルサ)   

 日本市場にオペル車が復活する。仏PSAは2021年夏をめどに日本で独オペル車の販売を開始する準備に入った。まずは東名大エリアの主要都市に販売拠点を開設し、第2段階として23年までに全国15~20都市で正規ディーラー網を展開する計画だ。06年に当時のオペルの親会社、米ゼネラル・モーターズ(GM)がオペルの日本からの撤退を表明して以来、正規輸入車の日本での販売が途絶えていた。PSAによる導入計画が実現すれば約15年ぶりの再上陸となる。

 オペル再導入に伴う販売店募集の説明会を先月、PSA日本法人のプジョー・シトロエン・ジャポン(クリストフ・プレヴォ社長、東京都目黒区)が東京、名古屋、大阪でプジョー/シトロエンディーラーを対象に開いた。販売ネットワークの立ち上げは、既存のプジョー/シトロエン販売店を中心に参画を打診する。

 オペルはPSAが17年にGMから買収して以降、プジョー/シトロエンと車両開発の共通化が進み、日本市場においても部品供給体制や整備技能、メカニックの育成といった点で、技術共有のメリットを活用するとみられる。

 ドイツを本拠とするアダム・オペルはGMの子会社時代が長く、1930年代から戦時中を除き2017年までGMの欧州部門を担う主力ブランドとして経営された。日本市場においてはGMと資本提携関係にあったいすゞ自動車なども一時、輸入販売を手掛けたが、ヤナセが輸入権を取得し1993年に販売を開始してから台数が飛躍的に伸長。ピークの96年には年間登録台数3万8千台以上を記録し、フォルクスワーゲン(VW)の輸入権を失ったヤナセの量販ブランドに育った。

 ただ、その後はヤナセのマルチブランド戦略や、輸入車上級ブランドのコンパクト車セグメントへの進出などを受け、撤退表明2005年には年間登録台数が1千数百台まで縮小していた。