ヤマハ発動機は5日、来年1月に発売するファイナルエディションを最後に国内向け「セロー」の生産を終了すると発表した。グローバルで車種展開の最適化を進める中、2020年末(継続生産車は22年11月)から適用される排ガス規制への対応は採算が見込めないと判断した。ただ、国内で生産するフィリピン向けのモデルは継続生産する。

 セローは、モトクロッサーをベースにした高性能モデルが主流だった1985年、足つきの良さと操作性を特徴とする「マウンテントレールバイク」として初代を発売したモデル。初心者や女性でも楽しめるモデルとして支持を獲得。競合他社もホンダ「XLディグリー」、スズキ「ジェベル」、カワサキ「スーパーシェルパ」とセローの成功に追随し、トレールバイクの市場を形成した。

 2017年には現行の排ガス規制の適用を契機に生産終了するも翌年に規制に対応して復活したが、次期排ガス規制の適用を前に再度生産終了することを決めた。

 ファイナルエディションは、初代モデルを彷彿させる「パープリッシュホワイトソリッド1」の「ホワイト/グリーン」と「ホワイト/レッド」の2色を設定。カラーフレームや燃料タンク上には上質さや特別感を演出する「ファイナルエディション」エンブレムを配置する。価格は58万8500円(消費税込)。年間販売計画は4千台。生産終了時期は未定としている。