アプリ上で施錠ができる
専用アプリで車両を呼び出す
車両利便性を考慮しファミリーカーに
ドアの開け閉めもボタン一つで
車内は有人だが自動運転を想定した運行をする

 日産自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)の無人運転車を使った配車サービス「イージーライド」が第2フェーズに入った。乗降時の無人化や予約不要のオンデマンド配車など、商用化を見据えた機能を実装した。一方で、人が介在しない「自動運転」に対する乗り手の不安を払しょくすることが今後の課題になりそうだ。

◆2回目の実証実験

 イージーライドは、自動運転車両を活用した配車サービスで、横浜市みなとみらいエリアを中心に実証実験を展開している。専用のスマートフォンアプリケーションで配車を依頼した人を乗降スポットでピックアップし、目的地まで運ぶ。緊急時対応のためにスタッフは同乗しているが、無人サービスのため基本は運転に介入しない。

 2回目の実証実験となった今回は、2月から3月にかけて約1カ月間実施。乗降地を前回の4カ所から15カ所に大幅に増やし、カバールートも6・2倍の28キロメートルに拡大した。約40組の一般モニターを対象に4台の車両で実施した。

 今回の実証実験は「無人運転車両が商用化した社会を体感してもらうことをテーマにした」(DeNAオートモーティブ事業本部自動運転サービス事業開発部ロボットビークルグループ町川高明シニアマネージャー)。そのため、前回は事前予約式だったものをオンデマンド配車に変更。乗りたい時にすぐにクルマを呼べる、より日常利用に近づけた仕様にした。また、前回は乗降時にスタッフがサポートをしていたが、これを無人化。ドアの開閉はアプリ上のバーコードをスキャンして行う。

 「乗降の無人化は1年目の大きな課題の一つだった」(同)ため、危険リスクを減らすために実証実験前にはフィールド調査を実施。道中のガードレールや消火栓の有無の確認、ホテルのチェックアウト時間、時間帯別の交通量の聞き取り調査などを、アナログで行った。自動運転中はもちろん、乗員が乗降を安全に行えるようルート上のリスクヘッジを“人の目線”で徹底して行った。

◆右左折などが課題

 乗降スポットが決まっているため、普段はバスや徒歩で移動している人の利用傾向が多かったという。車内ではルート上の観光スポットやイベント情報を画面上で紹介しており、今後は履歴や過去の走行ルートをもとに利用者ごとの提案ができるようにする方針だ。モニターの中には期間中16回利用した人もおり、一定の成果が得られたという。

 一方で課題も残った。自動運転ゆえ、右左折や車線変更などのタイミングが事前に分かりにくく「自動運転に慣れていない人が多い過渡期は不安に感じる人もいるのでは」(同)。安全性を見える化する工夫の必要性も今後求められることになる。また、複数人が1台のクルマに相乗りするライドシェアの形は「システムの関係上、今のところ見越していない」(同)が、横浜のような交通量の多い都市圏でこそ少ない台数でカバーできるライドシェアが生きてくるとの声も多い。

 DeNAは次の段階として、同社がヤマト運輸と共同で展開している無人宅配サービス「ロボネコヤマト」のような無人オペレーション型のイージーライドも視野に入れている。2020年代早期にも本格サービスの開始を予定しており、今回のシームレスかつ乗降の無人化により、サービスの実現に向け大きく前進した形だ。

(村田 浩子)