JVCケンウッドは、カーナビゲーションなどのソフトウエア開発に必要な人員を半減できる開発体制を構築する。人工知能(AI)を活用した開発環境を導入し、1つの開発プロジェクトにかけるリソースを削減する。コストを抑制して利益率の改善につなげる。開発期間の短縮効果も見込んでいる。
カーナビゲーションシステムは近年、ナビ機能の高度化や地図の三次元(3D)表示、スマートフォンとの連携など高機能化が進む。一方で性能の向上に伴い、ソフトウエアが大容量化しており、開発にかかるコストも増えている。これに対してAIの導入により、膨大な開発工程をスマート化する。鈴木昭社長は「(例えば)1機種に10人から15人が担当している状態を、7、8人くらいで対応できるようにしたい」考えだ。
また、開発で得た知見を記録する際にもAIを活用し、開発に伴う業務も迅速に行っていく。
JVCケンウッドは、2030年度を最終とする中期経営計画において、AIやデータの活用を中核とする方針を掲げている。経営戦略に伴って、鈴木社長の下に、全社で取り組む「業務改革プロジェクト」を設置した。プロジェクトに基づいて、各事業の製品開発や付帯業務などにAIやデータを活用する仕組みを導入する。車載向け製品の取り組みもこの一環だ。
現中計において、全社では無線システム事業を成長けん引事業に据える。一方、自動車関連事業の「モビリティ&テレマティクスサービス(M&T)分野」では、国内の自動車メーカー向けのシェア拡大などを掲げる。30年度の事業利益率は5%以上と、25年度の2.8%からおよそ2倍に引き上げる方針だ。
国産のカーナビゲーションを巡っては三菱電機が手を引くほか、パナソニックオートモーティブシステムズ(PAS、永易正吏社長、横浜市都筑区)も事業を縮小させる方針だ。鈴木社長は「ディーラーオプションは無くならないが、コスト要求は厳しくなる」とみる。JVCケンウッドでは、AIの活用や市販品との設計の共通化によってニーズと利益の双方を満たし、残存者利益を獲得していく。


















