住友電気工業は12月16日、連結子会社である住友理工の完全子会社化に向けたTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。買い付け予定の下限とする1668万1702株を上回る、4331万9442株を取得。残りの全株を取得して、住友理工を完全子会社とする。住友理工は上場廃止となる予定だ。
住友電工は今回の完全子会社化を契機に、より迅速な意思決定を図る。自動車用防振ゴムなど住友理工の手掛ける事業を増強するとともに、グループにおけるゴムなど高分子素材の開発基盤を強化する。
1929年に工業用ゴムベルトの製造で創業した住友理工は、創業以来培ってきた「高分子材料技術」「総合評価技術」を生かし、自動車産業向けを中心に事業を拡大。主力の自動車用防振ゴムでは国内トップシェアを誇る。
住友電工は、42年に住友理工を子会社化。グローバルで市場競争が激しさを増す中、グループの競争力を高めるには、住友理工とのシナジーのさらなる創出が不可欠と判断した。ハーネス一体型モジュールやタッチセンサー、電気自動車(EV)用電池関連などの製品ラインアップや共同開発を強化するとともに、モビリティ以外の領域への展開も想定しながら、技術力や研究開発力を強化する。

















