南信州広域タクシー(鈴木佳史社長、長野県飯田市)は、第4回CSP大賞で、「EVタクシーのデマンド交通運行でCO2削減」の取り組みで選考委員特別賞を受賞した。地域のデマンド交通、災害時のライフライン確保、次世代自動車導入促進を後押しする活動が総合的に評価された。鈴木社長は「賞をいただいたことも嬉しいが、取り上げてもらい業界の皆さまに活動内容を知っていただけたことが嬉しい」と述べ「地方の小さな企業でもできると示すことができたのでは」と力を込める。
同社では2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現に向けた取り組みを推進する飯田脱炭素社会推進協議会に属し、CO2削減を目標に行動する。鈴木社長は「環境モデル都市としてカーボンニュートラルに積極的に取り組む飯田市に本社を置くからこそ気づきがあった」とし「タクシー・バスなどの公共交通・運輸を担う企業としてできることをしっかりと取り組まなければならないという思いがあった」と強調する。そこで取り組んだのがエコドライブの推進だ。「南信州エコドライブ1000人プロジェクト」を立ち上げ、交通エコロジー・モビリティ財団や教習所などと連携し、エコドライブシミュレーターも活用しながらエコドライブの必要性を訴えた。同社でもエコドライブシミュレーターを導入しイベントなどで地域住民らに体験してもらう機会を設けたところ「フィードバックがあるから分かりやすい」「気づきがあったから自分のクルマでもエコドライブを実践してみたい」などの声があがったという。1千人プロジェクトとして目標を掲げていた活動は、20年には1300人を超え、次なる目標は1万人だ。「地域内の1割の人がエコドライブに意識を持つとCO2削減は一気に加速する」(同)と期待感をみせる。
同賞受賞後もカーボンニュートラル実現に向けた取り組みは加速している。10月には電気自動車(EV)バスを導入し、ゼロエミッションEVバスの運行を一部路線で開始するという。また、「日本一の星空の村」として環境省の認定を受ける長野県阿智村にある阿智営業所の太陽光発電で発電した電気は村内を走るEVタクシーに活用する。さらに「クリーンな村であることをアピールしたい」との鈴木社長の思いから自治体の許可のもと、自社独自でラッピングタクシーを宣伝媒体として活用する。背景には「観光客だけでなく村民にもアピールしたかった」という思いがある。
受賞後は自治体などからの反響も大きかったという。また、環境省の「脱炭素事業促進諏訪地域コンソーシアム」への登壇依頼やラジオ出演などを通じて認知が広がっていることを実感しているという。鈴木社長は「電力供給の部分で課題はあるが解決に向けた活動を推進しながら、誰でもが気軽に移動できる環境づくりを行っていきたい」と次なる展望を見据える。





















