日産 高速道路でハンドル手放しの自動運転を「スカイライン」で実用化 【詳細】

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  • 2019年7月16日

日産自動車は7月16日、「スカイライン」に高速道路をハンズフリーで走行できる「プロパイロット2.0」を搭載するなど、一部改良して9月に販売開始すると発表した。3D高精度地図データとGPS、合計24個のセンサーによって自車位置と走行ルート、車両周辺360度の状況を車両が把握、ドライバーがハンドルから手を放した状態で自動走行する。プロパイロット2.0はハイブリッド車に標準装備し、価格は約50万円アップする。ガソリン車は最高出力400馬力を発揮するV型6気筒ツインターボエンジンに変更する。

ハイブリッド車に標準装備するプロパイロット2.0は高速道路で、カーナビゲーションシステムに設定したルートに沿って同一車線内を自動走行する。ドライバーモニタリングシステムがドライバーが前方を注視していると判断した場合はステアリングから手を離した状態で自動走行する。自動走行中、ドライバーが前方を注視していないと判断すると音とモニターで警告する。ドライバーが警報に反応しない場合、ハザードランプを自動で点灯し、徐々に減速して停止すると同時に、専用オペレーターに自動接続され、必要に応じてオペレーターが救援を要請する。

また、自動走行中の分岐や、前方に速度の遅い車が走行している場合の追い越しの際、適切なタイミングをシステムが判断してドライバーに提案する。ドライバーがハンドルに手を添え、承認ボタンを操作すると運転を支援する。同一車線内のハンズオフ走行と、分岐や追い越しの車線変更支援を実用化するのは世界初としている。

プロパイロット2.0は、自動運転車向けに曲率や勾配などの道路形状、車線数など、高速道路の細かなデータを収納した3D高精度地図とGPS、カメラ7台、ミリ波レーダー5個、ソナー12個で実現する。3D高精度地図とセンサー類から得た情報を組み合わせことで誤差センチメートル級で自車位置を把握、ハンズオフでの自動走行を実現した。ナビの地図情報は車載通信機を使って年3回、自動更新できる。

自動運転中のリアルタイム情報はフロントガラスに照射されるヘッドアップディスプレイ(HUD)とメーターを使ってドライバーに分かりやすく表示する。

また、ガソリン車はダイムラー製の2.0リッター直列4気筒エンジンから3.0リッターV6ツインターボエンジンに変更、最高出力400馬力を発揮する。

さらに、ステアリングバイワイヤーのダイレクト・アダプティブ・ステアリングの応答性とトレース性能を向上するなど、専用チューニングを施した。制御サスペンションであるインテリジェント・ダイナミック・サスペンションの制御を緻密にするなどしてシャシー性能の向上も図った。

日産ではプロパイロット2.0をスカイラインに設定したのは、ステアリングなどの冗長性や、ハイブリッドシステムと相性が良いことが理由としている。同社ではスカイラインを「技術の日産」を象徴するモデルと位置づけており、今回の改良でバッチを従来のインフィニティバッチからニッサンバッチへと変更した。

価格はハイブリッドの2WDのGTが547万4520円、ガソリン車の400馬力仕様の400Rが552万3120円。

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