国土交通省は、スイスで開かれた国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で、日本が議論を主導した「大型車EDR(イベント・データ・レコーダー)」の国連基準が国連協定新規則として合意されたと発表した。発効時期は2024年6月頃を見込む。今回のWP29ではこのほか、欧州以外で初の副議長に就任した猶野喬物流・自動車局車両基準・国際課安全基準室長が来年もWP29副議長を務めることも決まった。

 大型車EDRの国連基準の対象車種は、バス、トラックなど乗車定員10人以上の乗用車や車両総重量(GVW)3.5㌧超の貨物車だ。

 事故発生に伴う「急減速」や「車両停止(一定時間以上停止などの条件を満たす場合に限る)」「衝突被害軽減ブレーキなどの安全装置が作動」のいずれかの「作動トリガー」を感知した場合に、事故発生直前から事故発生後の決められた時間の車両の制御などに関する情報をEDR内部に正確に記録することが要件だ。

 今回、合意された大型車EDRの国連基準は、日本が米国、オランダとともにWP29傘下の専門家会議の共同議長を務めて議論を主導した。来年6月頃の発効時期に合わせ、日本も道路運送車両法の保安基準を改正してこの基準を採り入れる。

 乗用車に対するEDRの国連基準は21年に発効した。日本では、同年9月30日に保安基準などを改正し、新型車は22年7月から、継続生産車は26年7月から乗用EDRの装着義務化を進めている。