バナスデイリーのチョードリー会長と握手する鈴木俊宏社長(左から4番目)

 スズキは、インド乳業メーカーのバナスデイリー、政府関係機関の全国酪農開発機構(NDDB)とともに、バイオガスを精製する工場を設立することで合意したと7日までに発表した。牛のふん尿を発酵させることで発生するバイオガスを精製し、CNG(圧縮天然ガス)車の燃料として活用する。3者は23億ルピー(約40億円)を投じ、2025年から順次、4工場を立ち上げる。

 工場はグジャラート州バナスカンタ地域に建てる。1工場で精製できるバイオガスは、1日あたり1.2トンで約680台分のCNG車が1日走行できる量だという。各工場には、バイオガスの充てんスタンドも併設し、CNG車の燃料として販売する。

 ふん尿の残さから有機肥料も生産する。固形肥料は1工場あたり26トン、液体肥料は約25トン生産できる。

 スズキの鈴木俊宏社長は「各地域の情勢に適した方法で温室効果ガス削減に取り組んでいる。インドでも削減効果の高いバイオガスに期待が寄せられている」とコメントした。