○…長明の方丈記には天変地異に関する記述が数多くある。平安時代最末期の、わずか10年ばかりの間に、京畿の地を襲った大火、竜巻、飢饉、地震の惨禍を極めた様子が実際に経験した人間でないと描き得ない精緻さで描写されている。○…竜巻は、建築物の大小を問わず吹き倒し、屋内の調度類も空に舞い上がって「冬の木の葉の風に乱るる」ようなありさまだったという。地震は…