マツダは14日、2022年3月期の最終利益が2期ぶりの黒字となる350億円になりそうだと発表した。新型コロナウイルス感染拡大前の水準に販売が回復すると見込むほか、20年度に取り組んできた販売費や広告宣伝費などの固定費削減効果を維持することで収益の最大化を図る。損益分岐台数は100万台レベルを視野に21年3月期の101万5千台からさらに引き下げる方針だ。

 21年3月期の業績は、出荷台数が20年3月期と比べて24万台以上減少した影響などが1085億円の減益要因となった一方、諸経費や研究開発費の効率化といった固定費の削減効果で763億円の増益要因を捻出。損益分岐台数を20年3月期と比べて12万1千台引き下げた。7月に出した当初の通期見通しでは400億円の営業赤字予想だったが、上方修正を繰り返し、最終的には88億円の営業黒字を確保した。丸本明社長は「すべての領域が危機感を共有し、構造改革挙げて取り組んだ」と総括した。

 22年3月期は前期に落ち込んだグローバル販売台数を20年3月期と同等の141万台に戻す計画。半導体不足の影響を実質約7万台見込むほか、原材料価格の高騰も響くが、販売増加と為替差益で吸収する計画だ。