ソニーは28日、電気自動車(EV)の試作モデル「ビジョン―Sプロトタイプ」を、二子玉川ライズ(東京都世田谷区)で行われたイベントに国内で初めて一般公開した。昨年12月からオーストリアで公道でテスト走行しており、年内にも国内で走行試験を始める計画だ。

 ビジョン―Sは、ソニーが2020年1月にラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「CES」で初公開したEV。試作車にはソニーが強みを持つ画像センサーなどを33個搭載しており、車両周囲360度を検知する。「車両設計上は自動運転レベル4を念頭に置いている」(同社)という。

 昨年12月からはソニーが車両製造を委託しているマグナ・シュタイヤーのあるオーストリアの公道で走行テストを始めている。ビジョン―Sの開発は、ソニーが21年に事業化する予定のドローン「エアピーク」、自律型エンタテインメントロボット「アイボ」を手がける「AIロボティクスビジネスグループ」が担っている。

 イベントではビジョン―Sに加え、エアピーク、アイボも展示した。「周囲をセンサーで認識しAIで思考、ロボティクスで動かすのはどの製品も同じ。ビジョン―Sを事業化する予定はないが、車両に搭載している各種センサーやエンターテインメントシステムなどを通じて自動車産業の進化に貢献していきたい」(同社)としている。