開発したソーラールーフを搭載した低速EV

 帝人は2日、豪アプライドEV(AEV)と、次世代モビリティ向けソーラールーフを共同開発したと発表した。帝人が開発したポリカーボネート樹脂「パンライト」グレージングを表層に活用し、車両に求められる強度や耐性を確保した。

 開発したソーラールーフはガラスでは難しい曲面形状を一体成形し、要求する性能にも対応した。ポリカーボネート樹脂を自動車用ルーフに使用するのは耐候性に課題があったが、今回使用したパンライトグレージングは独自のハードコート技術を活用することで10年相当の耐久性を確保したとしている。

 ソーラールーフに搭載した太陽電池の出力は、豪州での日照条件下試験で、一般的なソーラーパネルと同等の約330Wを記録。10kWhバッテリーを搭載した低速電気自動車(EV)に搭載した実験では航続距離が従来比30~55km伸びた。

 両社は低速EVの軽量化技術開発も共同で取り組んでおり、2022年後半に軽量化した低速EVの実用化を目指している。