ゼネラル・モーターズ(GM)は12日、電気自動車(EV)を活用して商品配送を包括的に支援するサービス「ブライト・ドロップ」を本格的に立ち上げると発表した。小型商用車「EV600」を2021年後半に物流大手のフェデックスに500台供給し、22年以降に市販する予定。オンライン開催している「CES2021」の基調講演でGMのメアリー・バーラCEO(最高経営責任者)は「商品やサービスを提供するためのよりスマートな方法を提供する」と述べた。

 新サービスは、EVやテレマティクスサービス、フリート管理システムなどを活用して、物流事業が環境に対応して効率的に配送するのを支援する。新型コロナウイルス感染拡大に伴うインターネット通販市場の拡大で物流需要の増加が見込まれることに対応する。

 小型商用車のEV600はGMとLG化学が共同開発したEV専用バッテリーシステムを採用し、1回のフル充電で最大400kmの航続距離を確保した。緊急自動ブレーキや車線維持システムなどのADAS(先進運転支援システム)を標準装備する。貨物スペースの容量は600立方フィートで、22年から本格的に販売する予定。

 また、配送車両から配送先までの短距離を、荷物を搭載して自律移動する電動パレット「EP1」も開発、21年初頭から販売する。フェデックスの実証実験でEP1の活用によって1日当たりの配送量が25%アップした。

 物流支援サービスは当面、米国とカナダで展開する。新たに専用のディーラーネットワークを構築してサービスをサポートする。

 また、GMはCESで自動運転と電動技術を活用して開発した「空飛ぶクルマ」のコンセプト映像を披露し、電動垂直離着陸機を開発していることを紹介した。