パナソニックは11日(米国現地時間)、「CES2021」のオンライン記者会見内で、コバルトフリーのリチウムイオン電池を開発すると発表した。現在、車載電池を供給しているテスラの電気自動車(EV)向けに加え、新型コロナウイルスで需要が急増している人工呼吸器向けにも提供を見込む。

 バッテリーリサイクル企業のレッドウッドマテリアルズと協業する。現在は電池一本当たりのコバルトの使用比率は5%以下だが、数年以内にコバルトフリーを目指す。

 電池の原材料であるコバルトの生産国は特定の地域に依存しており、政治情勢などによるサプライチェーンが分断されるリスクをはらむ。会見に登壇したパナソニックノースアメリカのマイケル・モスコウィッツCEOは、レッドウッド社との協業は「持続可能性を高めることに主眼を置く」とし、環境に配慮したリサイクル素材に切り替え、安定した調達環境を築いていく。