CES2021で紹介した

 メルセデス・ベンツは、車内のインストルメントパネル全面をディスプレー化する新しい「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)ハイパースクリーン」を開発したと発表した。電気自動車(EV)の上級セダン「EQS」をはじめ、新型「Sクラス」で実用化する。11日(現地時間)にオンラインで開幕した「CES2021」でも紹介した。

 第2世代となるMBUXハイパースクリーンは、全幅141cmで、ダッシュボード全面をカバーする。ディスプレー面積は約2430平方cm。運転席前、中央、助手席用の3つのディスプレーをシームレスに統合しており、車両機能の操作やナビゲーションを備える。

 乗員を個別に把握し、人工知能(AI)を活用して乗員に合わせてナビ機能やマッサージプログラム、電話など、使用する頻度の高い機能を、状況に応じて最前列に表示する。クラウドと接続して走行中、目に付いたランドマークなどに関する情報をディスプレーと音声アシスタントによって取得できる。

 また、助手席用と中央のディスプレーは有機EL(OLED)を採用、鮮明な映像を再現する。助手席に人が座っている場合のみ、助手席用ディスプレーに映像を映し出す。タッチスクリーンには、触覚フィードバック用に合計12個のアクチュエーターを備えており、タッチするとカバープレートが振動する。カメラと光センサーを使って周囲の状況に合わせて、見やすいように画面の明るさを自動調整する。MBUXハイパースクリーンはCPUコアを8個、46.4ギガバイト/秒メモリバンド幅の24ギガバイトRAMを搭載する。

 同社のサジャド・カーン取締役CTO(最高技術責任者)はCESの記者会見で「MBUXハイパースクリーンは車両のすべてのコンポーネントに接続され、通信することで車の頭脳となる」と述べた。