京セラは8日、ケミカル製品の難燃性と絶縁性に関して、米国の第三者認証機関であるULの認証試験で不適切な対応があったと発表した。難燃性に関するUL94規格の対象5製品と、絶縁性に関するUL1446規格の対象1製品の計6製品で、認証試験時に実際の製品とは異なるサンプルを提出していた。該当する製品は国内外約160社に供給しており、今回の不適切事案による事故などは現時点では確認されていない。

UL94の対象は注形レジン、プリミックス成形材料、フェノール樹脂材料、電機用樹脂ボード、半導体封止材料で、UL1446の対象はワニス。2020年11月20日に注形レジンを生産する川崎工場(川崎市川崎区)で不正行為に関する情報提供があった。その後ケミカル事業部が事実確認などを行い、計6製品での不正が判明。12月7日に会社として今回の事案を把握した。対象製品は川崎工場、福島郡山工場(福島県郡山市)、栃木真岡事業所(栃木県真岡市)、中国、シンガポールで生産していた。

今後、外部の専門家を中心とした特別調査委員会を速やかに立ち上げる。不適切事案判明後は、供給と受注活動を停止し、現在も顧客への説明を継続している。業績への影響は現時点では不明としている。