レストアの対象となるスカイラインGT-R(BNR32)

 ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ、片桐隆夫社長、横浜市鶴見区)は、日産自動車「スカイラインGT-R」のレストア活動「ニスモレストアカー」を開始した。2017年から日産と共同で実施してきた純正部品の復刻販売活動「ニスモヘリテージ」を発展させ、往年の名車を新車レベルの性能に近付ける新たなプロジェクトとして立ち上げる。

 対象となるのはBNR32、BCNR33、BNR34。ニスモ直営店で持ち込み車両の施工やコンプリートカー販売を実施する。施工に際しては性能の可視化を掲げ、ボディーは3D測定器を用いて計測・修復するほか、車両を構成する全ての部品について継続、交換点検、再塗装などの履歴を記録して提示する。新車時と同等の性能を確認するため、完成検査ではニスモのテストドライバーやプロドライバーによるチェック走行を実施するなど、単なる美装化にとどまらない高い基準でのレストアを追求する。

 同社は同プロジェクトを「日本車をより良いコンディションで後世へ残すことにもつながる活動」と位置付け、来春からはBHオークション(武井真司代表取締役、東京都千代田区)と協力してプロトタイプ車の展示なども実施する。

 ホンダが初代「NSX」、マツダも初代「ロードスター」を対象にレストア事業を手掛けるなど、同様の取り組みは他メーカーでも進む。往年の輝きを取り戻す名車に、スカイラインが加わることになる。