帝人は、複数の素材を組み合わせたマルチマテリアルのバッテリーボックスを開発したと発表した。

 電気自動車やハイブリッド車など電動車両に搭載するバッテリー向けで、複合材料製品を手がける米国グループ会社のコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)などと開発。2025年からの量産開始を目指す。

 今回開発したバッテリーボックスは、複合材料(FRP)と金属を適材適所に用いたマルチマテリアルの筐体。

 FRPには炭素繊維またはガラス繊維が使用でき、バッテリーを置くトレーやカバーとして成形する。プレス成形機を使うSMC(シートモールディングコンパウンド)で、複雑な形状でも一体成形でき、製造コストの最適化にも寄与するのが特徴だ。

 耐火性や寸法安定性、耐腐食性も確保。トレー、カバーには電磁波シールド性を付与することも可能だという。

 一方、筐体全体の剛性や耐衝撃性を確保するため、フレームには金属を使用。マルチマテリアル化により、重量はアルミ製と同等を実現している。

 同社は17年にCSPを買収するなど軽量複合材料製品事業を強化している。マルチマテリアルでの部品供給メーカーとしてソリューション提案を強化しており、30年頃には自動車向け複合材料製品事業の売上高を20億ドル規模に拡大させる計画を掲げる。