スバルは4日、2021年3月期通期連結業績予想を上方修正して発表した。足元で主力の米国販売実績が想定を上回っていることを踏まえ、8月に公表した従来予想に対し、売上高は500億円、営業利益は300億円、当期純利益は200億円上振れる。2期ぶりの減収減益となる見通し。足元では、米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあることなどから「まだまだリスクをはらんでいる」(中村知美社長)と慎重な姿勢を崩さない。

 通期連結販売台数計画は、前年同期比11.9%減の91万600台を予想する。米国は同6万5900台減の63万5700台、国内は同8400台減の11万7400台。9、10月の米国販売は前年を上回って推移するなど、主力市場で回復傾向が見られる。この要因としては、新型コロナによる稼働停止により不足気味だった在庫が解消に向かい「車両供給が7月をボトムに順調に回復している」(中村社長)ほか、「アウトバック」など主力車種の販売が堅調だったことが挙がる。

 20年4~9月期連結業績は2期ぶりの減収減益となった。3月下旬以降、日本と米国工場で生産調整を実施したことなどがマイナス要因として働いたが、米国販売の下支えやコスト削減などにより黒字を確保した。連結完成車販売台数は前年同期比27.9%減の36万3300台。