提携概要を説明する秋山理事長(右)と坂本理事長

 中小タクシー事業者で組織する協同組合の東京無線協同組合(坂本篤史理事長、東京都新宿区)とチェッカーキャブ無線協同組合(秋山利裕理事長、同中央区)は27日、それぞれ理事会を開催し、来年4月1日から業務提携することを承認した。提携により車両外観の統一を進める。車両屋根の表示灯(行灯=あんどん)は既存の東京無線仕様に統一し、車体デザインは順次、チェッカー無線の市松模様を取り入れる。両組合は将来的な統合も視野に入れて今後も検討を進めていく。

 現在、東京無線は50社55営業所・3745台、チェッカー無線は43社48営業所・3127台を擁している。今回の業務提携で、一つのブランド(行灯)で営業する台数が6800台超になり、営業区域内(東京特別区武三)で最大規模となる。

 車両外観の統一は、行灯については来年4月1日から1週間程度で全車一斉に変更を終える予定。一方、車体デザインは新車導入に合わせて行うため、当面は東京無線(緑)とチェッカー無線(オレンジ)の車体色、さらに両社ともに採用している黒色の車体色が混在することになる。

 このほかの提携の内容については、両組合が発行するタクシーチケットの共通化、チケットや福祉券などの精算業務の一括化、乗務員教育の統一、無線配車システム・配車業務の統合などを順次行う。一方、組合の事務局は当面、併存させる。

 両組合の営業所の配置を見てみると、東京無線は東京23区西部と武蔵野・三鷹両市、チェッカー無線は23区東部と同南部に多く、エリアの重複が少ないため、相乗効果は高いとみられる。

 理事会終了後に記者会見に臨んだ坂本理事長は「加盟各社は地元での強いネットワークを持っている。今回の提携を機に、より一層地域貢献もできる」、秋山理事長は「まず車両の外観を統一して、お客さまに同一のグループだということを認識していただく」と述べ、提携の意義や利点などを強調した。