欧州自動車工業会(ACEA)が発表した主要18カ国の乗用車新車販売台数は、前年同月比0・3%増の119万8492台で9カ月ぶりのプラスとなった。新型コロナウイルスの感染拡大後で初めて前年を上回った。一方、足元では感染の再拡大で都市封鎖(ロックダウン)の動きも出ており、10月以降は新車需要が再び縮小に転じる可能性もありそうだ。

 市場規模の大きいドイツは同8・4%増の26万5227台、イタリアは同9・5%増の15万6132台といずれも増加に転じた。一方、フランスは同3・0%減、スペインは同13・5%減、英国は同4・4%減、オランダは同21・9%減と落ち込んだ。

 各国政府の需要喚起策や感染防止策の緩和もあって欧州の新車市場は緩やかな回復を続けてきた。その半面、感染者数は9月に入って増加。スペインやフランス、英国などは9月中旬以降に第2波の到来を踏まえて規制を強化したが、10月はドイツなど多くの地域で3月のピークを上回る新規感染者数が確認されており、新車需要にも響きそうだ。

 9月のメーカー別の新車販売台数(主要18カ国)はフォルクスワーゲングループが同14・4%増の26万6161台でトップ。グループPSAは同14・0%減の17万412台だった。日系メーカーではトヨタ自動車が同5・9%増の6万8488台、日産自動車が同6・4%増の3万3891台、ホンダが同5・4%増の1万864台と増加した一方、マツダは同21・2%減、三菱自動車が同24・6%減と減少した。