MX―30を発表する丸本明社長

 マツダは8日、新型SUV「MX―30」を発売すると発表した。まずはマイルドハイブリッド車(HV)から投入し、来年1月に電気自動車(EV)を発売する。観音開きタイプのドア「フリースタイルドア」を採用するなど従来のSUVとは異なる新しい価値観を提供し、新たな顧客層の開拓を目指す。

 昨年10月の東京モーターショーではEVとして発表したが、国内の市場環境を考慮してまずはマイルドHVから投入する。直噴ガソリンエンジン「スカイアクティブG」にマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた「e―スカイアクティブG」を国内で初採用した。2003年から12年まで生産していたスポーツカー「RX―8」以来となる観音開きドアを採用した。センターピラーを排することで開放感を演出するとともに、フロントドア開口角度を82度に設定し、乗り降りしやすい構造とした。

 デザインはマツダの「魂動(こどう)」デザインを派生させ、親しみや温かみを感じさせる「ヒューマンモダン」コンセプトを採り入れた。室内では、センターコンソールに端材を加工したコルクや、ドアトリムにペットボトルのリサイクル原料からできた繊維素材を採用するなど環境にも配慮した。

 安全機能では、交差点右折時の事故回避機能や路肩の芝生などを検知して車線が引かれていない道路でも逸脱を回避する機能を初採用した。

 グレードは1種類のみとし、ユーザーが好みに合わせて自由にパッケージオプションを組み合わせできるようにした。価格は2WDで242万円、4WDは265万6500円(消費税込み)。専用ボディーカラーなどをセットした100周年特別記念車も用意する。月販目標は1千台。