CM総合研究所(関根心太郎代表、東京都港区)は、2020年8月度のCM好感度ランキングを公表した。総合ランキングではソフトバンクの「5Gってドラえもん?」のCMが前月の2位から首位浮上、auスマートフォンの料金プランを訴求するKDDI「三太郎シリーズ」が8カ月ぶりにトップの座を明け渡した。自動車業類はトップ10を逃した。

 東京キー5局でオンエアされた全CMを採録・分析するとともに、特約視聴者モニター3千人にCMの印象やその商品に対する購買意向などを聞いた。今回の対象期間の7月20~8月19日に放映された全CMは2303銘柄(前月比54銘柄減)。このうち自動車業類は72銘柄(同3銘柄減)だった。

 自動車業類ではダイハツの軽SUV「タフト」が放映開始から3カ月目で、初のCM好感度業類1位に輝いた。続く2位にはトヨタ「アクア」が圏外からランクイン。CM総研は、このアクアに注目した。

 アクアはアニメ「鬼滅の刃」の主題歌である「紅蓮華」のアレンジ楽曲をBGMに、夜の東京の街を疾走するシーンを描いたCMを放送した。本作は2017年6月に開始した「Drive in Japan(ドライブ・イン・ジャパン)」シリーズの第1弾CMの映像に、新たなBGMとコピーを重ねたものだ。

 人気アニメの主題歌とあって、若年層を中心に支持された。これまで同シリーズは、東京ディズニーランドのエレクトリカルパレードのテーマ曲や「イッツ・ア・スモール・ワールド」など広く知られている楽曲に乗せて、日本の街並みを駆け抜けるアクアを鮮やかに映すクリエイティブさで注目を集めた。

 2013年には富士山の景色と『チョコレイト・ディスコ』などのピアノ曲を組み合わせたCMがヒット。長きにわたり、キャッチーな音楽と美しい映像の相乗効果で、アクアというブランドを印象づけている。