ヤリスクロスと末沢泰謙チーフエンジニア

 トヨタ自動車は、コンパクトSUV「ヤリスクロス」を31日発売した。「ヤリス」の軽快な走りや低燃費を受け継ぎつつ、SUVに求められる走破性や荷室の広さを持たせた。月販4100台を計画する。コンパクトSUV市場は世界的に拡大しており、日本を皮切りに欧州、オーストラリアなどで発売する。

 ヤリスと同じトヨタ・ニューグローバル・アーキテクチャー(TNGA)Bプラットフォームや新開発の1・5㍑直噴3気筒エンジン、ダイレクトシフトCVT(無段変速機)、ハイブリッド機構(THSⅡ)などを採用した。ホイールベース(軸間距離)は同じだが、車体はヤリスよりやや大きい3ナンバーサイズだ。

 全長4㍍強の車体ながら荷室容量はSUVトップクラスの390㍑を確保。2つのスーツケースや2つのゴルフバッグをそれぞれ積めるようにした。広さだけでなく、床面の高さを変えたり、後席シート中央だけを倒して長尺物を積載できるなど工夫も凝らした。リアバンパー下部に足を出し入れするとバックドアが自動開閉する「ハンズフリーパワーバックドア」もオプションで用意した。

 パワートレインはガソリンとハイブリッド(HV)の2種類で、それぞれFF(前輪駆動)、4WD(HVは電気式)を用意。HVの燃費は30・8㌔㍍/㍑(WLTCモード)に達する。4WD車には駆動力の制御機構も備えた。

 車両価格(消費税込み)はガソリン車が179万8千~244万1千円。HVが228万4千~281万5千円。