帝人は、炭素繊維「テナックス」の中間材料がエアバス社の主力旅客機「A320neo」に採用されたと発表した。主翼スポイラーの部材として、航空機構造部材メーカーの米スピリット社で生産される。

 採用されたのは「テナックスDRNF」と「同DRBF」。両材料を組み合わせた炭素繊維複合材料(CFRP)のスポイラーは、金型の中に配置した炭素繊維シートに樹脂を注入して硬化する「RTM」という手法で成形される。従来のオートクレーブ成形に比べて生産性やコスト効率が優れていることなどが評価され、今回の採用に至った。

 帝人は2020年度からの中期経営計画の中で、航空機向け炭素繊維中間材料の展開を「将来の収益源育成」と位置付け、ソリューション提案を強化している。