東レは、独リリウム社が開発している「空飛ぶ車」に使う炭素繊維複合材料の供給契約を締結したと発表した。胴体や主翼、動翼などの材料として提供する。

 リリウム社は「リリウム・ジェット」と呼ぶUAM(アーバン エア モビリティ)を開発している。300㌔㍍の距離を60分以内で飛行する5人乗りの空飛ぶ車で、垂直離陸できるのが特徴。2025年の商業運航をめざしている。

 UAMでは機体を軽量化できる炭素繊維複合材料の役割が大きく、東レはUAMメーカーと協業しながら、機体の高性能化と省エネルギー化、低コスト化につながる複合材料の開発を続けてきた。リリウム社への素材供給もこの一環となる。

 東レの炭素繊維複合材料事業については、中期経営課題「プロジェクトAPーG2022」の中でUAM向けの事業基盤を拡充する方針を打ち出している。UAMならではの課題解決につながる炭素繊維複合材料の開発を通して、都市部における環境問題の解決に貢献していくとしている。