空いた社用車を〝地域の足〟に有効活用―。NTT東日本は21日、業務用車両をカーシェアリング車両として貸し出す新たなサービスを開始したと発表した。業務で使用しない休日などの空き時間に地域住民や企業が利用できるサービスとしてスタートし、保有車両の稼働率を高める狙いだ。まずは首都圏を中心に提供エリアと台数を拡大していく計画。NTTドコモが運営するカーシェアリングプラットフォーム「dカーシェア」などとも連携し、年内にも稼働台数を50台まで引き上げる考えだ。

 車両を貸し出す最初のステーション=写真=は、神奈川県川崎市のNTT川崎北ビルの駐車場に開設した。まずは日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」1台を配置。今後は、社有車と各地にあるNTT東日本のビルの敷地を活用してステーションを増やしていく計画だ。

 NTT東日本グループでは、各拠点などで営業用などの車両を計8千台保有しているものの、稼働率は50%程度にとどまっている。業務での使用は主に平日の日中に集中しており、空いている夜間や週末に社外関係者に貸し出すことで、資産の有効活用につなげる。平日は周辺の企業、休日は近隣住民などの利用を見込む。

 サービスの運営は、NTTグループで駐車場管理などを手掛けるNTTル・パルクが担い、カーシェアブランド「ノッテッテ」として展開する。システムの基盤は、スマートバリュー(渋谷順社長、大阪市中央区)が提供を開始した社用車シェア向けプラットフォーム「クルマベースビズ」を採用した。利用者は、専用アプリをダウンロードしたスマートフォン一つで、予約や車両の解錠・施錠、決済を行えるという。

 当面は首都圏を中心にステーションを増設する予定だが、将来的には東日本の他エリアへの拡大も視野に入れている。「dカーシェア」や他のカーシェアサービスと相互利用できる仕組みも整え、利便性を高めていく構えだ。